切り返しの微妙な順番。

雑誌などでよく「テイクバックが完了する前に、下半身を始動する」といわれます(以下、「TB前・下半身始動」と表記)。そうすることで、上下の回転差ができるという説です。ですが、これはアマはやらないほうがいいと、以前に書きました。そのことについて、もう一度詳しく書きます。

「TB前・下半身始動」は多くのプロがいっていますし、決してまちがっているとは思いませんが、修行中のアマがやるのはよくないのです。

それは、アマの場合、これをやると切り返しの3つの動作のなかで重要な「脱力」が できなくなってしまうからです。多くのアマの場合、「TB前・下半身始動」をやると、トップで硬直してしまいます。たぶん、手でテイクバックしていることも原因のひとつだと思います。

トップで硬直すると、自然なダウンの始動ができず、 その結果、手で始動しなければならないようになります。手で始動すると、これはもう逆効果です。(下半身の引っ張り+脱力+重力で始動するのが正解。※切り返しを手でやるのは厳禁です。)

もちろん、脱力ができるなら、「TB前・下半身始動」でもいいのですが、脱力がもともとできない上記症状のアマは、 硬直してしまうことによって、脱力がますます習得できなくなります。

別ないいかたをすると、「TB前・下半身始動」をするアマは、トップで「粘る」ような動作を1クセ入れています。 その1クセによって、硬直し、仕方なく手で始動しています。その1クセがあるかぎり、結局、誤った切り返しから抜け出しにくくなります。

そこで、どうするかというと、テイクバックと切り返しを明確に分離することです。

テイクバックは80%程度の力でいいです。テイクバックでは、テイクバックだけをやります。次の瞬間、下半身を始動しながらの切り返しで120%の力を出します。「TB前・下半身始動」ではなく、「逆パ式始動」です。

2つの違いは、説明しにくいのですが、微妙に順番が違います。あくまでも下半身始動をメインにしながら、何の力も利用せずに自力で逆パワーを絞り出すということです。順番については、下の図を参考にしてください。

切り返しの順序

「TB前・下半身始動」によって「粘る」動作を、「逆パワー」だと思っている方もいると思います。これは誤解されやすいポイントです。これによって粘り感があり、ねじりが強調されて、仕事をした感があるからです。 ですが、上体(とくに腕・手)に力を入れて「粘る」のではありません。上体はリラックスして、背中の下のほうで逆パワーを出します。

切り返し動作は、たぶん硬直派の人が思っているより、100倍ぐらい、手は「中途半端な感じ」、あるいは「頼りない感じ」になるのが正解です。「粘っている」人は、そこに安定感を求めていると思いますが、切り返しは「チョー不安定」なものです。「粘る」感覚、あるいは「安定感を求める気持ち」は捨てましょう。

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