それでも、あなたは手打ちかもしれない。

アマゴルファーの第2の根本問題は、タイミングが早いことです。ここで、2つのタイプに分けて説明します。第1のタイプは、手打ちです。

 「あなたは手打ちだ」といわれると、普通の人はムッとするでしょう。私も史上最低の手打ちでしたが、そういわれると気持ちよくなかった経験があるのでわかります。そういうふうに、「手打ち」という言葉が、気になる方がおられるかもしれませんので、言葉について修正しておきます。これは、あまりよくないイメージのある言葉だからです。

このメソッドでは「手打ち」を「手でヘッドを返すスウィング」と呼ぶことにしました。手打ちというより、症状が具体的にわかって誤解を生む余地も少なくなると思います。しかし、言葉を変えたとしても、「私は手打ちではないし、手でヘッドを返すスウィングでもない」と主張する人が多いと思います。

ひどい手でヘッドを返すスウィングの人ほど、自分はそうでないといいます。けっこう野球などをやってきてスポーツマンと呼ばれるような人で、体全体を使ってバットを振るのがしみついた人でも、どういうわけかゴルフクラブを握ると手打ちになってしまう例は予想以上に多いものです。いや、手でヘッドを返すスウィングになってしまう例は予想以上に多いものです。

いずれにしても、言葉尻にこだわるよりも実践です。とにかく、このメソッドで「大きな筋肉を使ったスウィング」ができるようになろうではありませんか。

手でヘッドを返すといっても、体を固定して手だけを動かしてクラブを振っている人はいません。どんなにひどい手打ちといわれる人でも、とりあえず腰も肩もちゃんと回転しています。また、手でヘッドを返すといっても、強く手で打って、ヘッドを返す人もいれば、弱く手を使っている人もいます。なおかつ、まったく手を使っていないといっても、多少は使っているかもしれません。なので、多かれ少なかれ、手で打つ要素はあるわけです。さらに、プロは体でヘッドを返すといっても、体だけで100%スウィングしているわけでもなく、手もそれなりに振っています。ということは、手と体のチカラ加減のバランスじゃないのか、という声も聞こえてきそうです。

しかし、ほんとうにバランスなのでしょうか?そうすると、誰でもバランスの加減によって、手打ちのショットもあるし、体で振ったショットもあるということになります。一理ありそうな話ではあります。しかし、まどわされてはいけません。このような詭弁を脱するには、手打ちとは何かを明確にしないと、話は始まりません。ここで手打ちを定義する必要があります。

これは、けっこう重要な問題です。ゴルフスウィングの根幹の議論にも通じるものでしょう。スウィングをどう考えるかということにも関係します。例として、リストターンの話をしてみようと思います。 プロのスウィングをビデオや写真で見ると、リストターンを自ら行っているように見えるかもしれません。確かにインパクト後の写真を見ると、右腕がグ~ンとパワフルに伸びきっています。もしそうなら、それは手打ちでしょうか?いや、それは手打ちではないと思います。そのスウィングは、手や腕でヘッドを返そうとしているのではなく、体でヘッドを返し、そのヘッドに引っ張られるようにしてリストターンが起こる、という因果関係だと思います。ヘッドは「返す」のではなく、「返る」といったほうが正確な表現です。ですから、ヘッドに引っ張られてリストターンが起こるのと、自ら手でヘッドを返すのは、映像ではあまり変わらないのです。これは、重要な事実です。しかも、その人はよく練習して、練習の成果により、ほとんど体で振っているように見えるようにスウィングを整えていたりします。

では、プロの「体でヘッドを返すスウィング」とアマの「手でヘッドを返すスウィング」の違いは結局のところどこにあるのでしょうか。  「手でヘッドを返すスウィング」と「体でヘッドを返すスウィング」は、天と地ほどに違うものです。ところが、見た目の差はけっこう微妙です。打っている本人も手でヘッドを返していることに、気づかないケースがほとんどで、自覚症状のもちにくさが直りにくさの原因にもなっています。というわけで、「手でヘッドを返すスウィング」とは何かというのは、簡単そうに見えて実はむずかしいテーマなのです。

では、「手でヘッドを返すスウィング」とは何か、ここできっちり定義しましょう。たぶん、いままで誰も真剣に論じたことのないテーマだと思います。

「手でヘッドを返すスウィング」とは、「体の回転によってヘッドが返る前に、手でヘッドを返すスウィング」です。「(体の回転によってヘッドが返る)前に」というところがポイントです。

前か、後か。それはタイミングの問題です。 体を回転させればヘッドはいつか自然に返ります。それが正しいタイミングです。そのタイミングよりも早いタイミングで、手を使ってヘッドを返すスウィング。それが「手でヘッドを返すスウィング」です。要するに「手でヘッドを返すスウィング」と「体でヘッドを返すスウィング」の違いは、タイミングの違いなのです。

手と体、どちらのチカラをより多く使っているかという強弱バランスの違いではありません。ほんの小さなチカラでも、タイミングが早ければ「手でヘッドを返すスウィング」です。逆に、強力なパワーを手元に込めていても、タイミングが遅ければ「体でヘッドを返すスウィング」です。

もしも、強弱バランスの違いなら、グリップをゆるく握ったり、リラックスして肩の力を抜いたりして解決できるかもしれません。しかし、タイミングの違いだから直りにくいのです。

くり返しますが、体を回転させればヘッドはいつか自然に返ります。そのタイミングで振ればいいのです。しかし、それでは振り遅れになってしまいます。だから、タイミングが早くなってしまいます。しかし、その振り遅れたタイミングが正しいのです。それがなかなかできないことが、手でヘッドを返すスウィングの原因です。

ここでいう手でヘッドを返すスウィングは、タイミングが早いという問題を抱えた人のなかでも、重症タイプです。もうひとつ、軽症タイプがあります。それが、次にご説明するリリース打法です。

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