アマの根本問題は何か、考えてみました。

アマが小さな筋肉を使ってスウィングするのは、どうしてでしょうか。そこには、共通する原因ががあると考えてみたらどうでしょうか。

球スジでいえば、ほとんどの人がスライスで悩んでいます。フックを何とかしたいという人や、ボールがつかまりすぎて困っている人、ダウンスウィングでタメが強すぎて苦しむ人にはあまりお目にかかったことがありません

共通の悩みの背景には、共通の原因があると考えるのが自然です。その共通の原因から、さらに副次的な問題が派生します。スウィングのさまざまな悩みにはお互いに関連性があり、因果関係があります。ひとつの間違いがもうひとつの間違いを呼び、ひとつのトラブルがもうひとつのトラブルの原因になる。そういったあまり好ましくない循環に入っているのがアマチュアゴルファーの現状ではないでしょうか。

逆にいえば、スウィングの悩みをひとつひとつ独立したものとみなして、それぞれに個別の対策を立てるアプローチでは、何も見えてこないと思います。一片のヒントをいくら積み重ねても、全体像は決して姿をあらわしません。

アマチュアゴルファーが「好ましくない循環」に入って抜け出せない状態にあるとすれば、それをほぐさなければなりません。そのためには、アマチュアの悩みの根本的な原因を探し、いちばん深いところにある「問題の本質」を解明することからはじめるべきでしょう。 さまざまな悩みの原因となっている根本的な問題があると仮定し、それを探すこと。そして、根本的な問題から派生する2次的な問題・3次的な問題などの、複雑にからみ合った糸をときほぐし、はっきり分けて考えることを提案したいのです。

問題点は2つです。第1に、いちばんの根本的な問題は、「切り返しで肩が開く」ことです。 シンプルすぎてあっけないですが、これががもっとも重要な問題だと考えます。第2に、インパクトの前から手で振ったり、あるいはリリースしたりといった動作です。

まず、第1の問題を説明します。(第2の問題は、タイミングが早いことですが、それは次の章で考えます)。ダウンスウィングに入る瞬間がむずかしいのです。この切り返しでパッと肩が開いてしまいます。それはどういうことかというと、スウィングで胴体のねじりのパワーをまるで使っていないということを意味します。テイクバックで上体を巻き上げるようにして、せっかくねじりをつくっても、ダウンスウィングに移行しようとする、その瞬間にねじりを放出しています。肩をパッと開くことによって、ゴルフスウィングのエネルギーであるねじりのパワーをムダにしており、パワーの放出になり、ねじりでつくった形がムダになっています。

体で打つ本格的スウィングをめざそうという方なら、ゴルフスウィングのエネルギーの源泉がねじりのパワーにあることに異論はないと思います。それならば、まあ何とももったいない話ではありませんか。 これはパワーのカラ回りです。切り返しで早くもねじりのパワーを浪費してしまうので、ダウンスウィングに入ったときには、すでに振り遅れ状態になっています。そのままだと振り遅れのスライスです。

その状態から、インパクトでパワーを出そうと思ったら、妙なところにチカラを入れるしかないのです。 大きな筋肉を使ったスウィングができないとうのは、具体的にいえばこういうことです。インパクトでねじりのパワーを爆発させなければならないのに、切り返しでパワーを放出してしまう。その結果、しかたがないので、いろいろ「工夫」して(練習でいろんな技を編み出して)、小さな筋肉で振らざるを得ない。これが、根本的な原因というか、根本的な構図です。要するに「小さな筋肉を使ったスウィング」とは、ねじりのパワーを活用していない、ゆえに、小手先で何とかしようとするスウィングのことです。

アベレージゴルファーのスウィングを撮影したビデオを見てください。そして、プロのスウィングと比較してください。切り返しの直後に注目すると、プロはそこで肩があまり開いていませんが、アマは一気に肩が開きます。そういう前提に立ってビデオを見ると、なんとなく「なるほど」と首をタテに振りたくなる感じがありませんか。 このように「切り返しで肩が開く」ことによってねじりを無効化しています。ねじりの形の無効化によって、そこからムリに力を出さないといけないようになります。しかし、それは間違った力の入れ方であり、ますます問題を複雑にします。

この「ダウンスウィングで肩が早く開く」ことによって、アマゴルファーのほとんどは「振り遅れ」になります。 ゴルフをはじめた初心者が自然にスウィングすると、ほとんどの人はこれです。

では、ゴルフスウィングで「振り遅れる」というのは何をさすのでしょうか。野球のように動くボールを打つのならまだしも、止まったボールを打つゴルフで「振り遅れる」とは、どういう意味なのでしょう。

「振り遅れ」というのは、インパクトでクラブヘッドが返っていない状態です。ということは具体的にはどういうことかといえば、シャフトは後方にしなっており、フェイスは右を向いているということです。

この問題も元をたどれば、真の原因は、「ダウンスウィングで肩が早く開く」ことにあります。アマゴルファーはテイクバックでつくったねじりを放出してからダウンスウィングに入るので、インパクトでクラブヘッドが返りません。ですから、ヘッドの返りが遅れるのです。もし、ねじりをキープしたまま振ることができるならば、スライスで悩むことはたぶんあり得ません。逆に、フックに悩むことになるはずです。 フェイスがスクエアに戻る前にインパクトするのが、振り遅れです。これは、ほとんどのアマゴルファーに該当する問題です。

このように2次的な問題が発生します。その複雑なからみ合いにより、問題が複雑化し、悪癖をこじらせます。

初心者の段階で、多くのゴルファーは振り遅れを防ごうとして、早めにヘッドを返そうとします。これがすべてのアベレージゴルファーを狙う落とし穴です。 ここから第2の問題が発生します。それが、「早いタイミング」です。これは、問題を自分でつくっているのです。自分でヘッドをリリースすることによって、スウィングをますます悪くする「悪い循環」におちいってしまいます。 インパクトの時点でヘッドがスクエアに戻らないから、早めにリリースして補ってやる。それだけなら、とくに問題はなさそうに感じるかもしれませんが、実はそれ以上の問題があります。 「手でリリースするスウィング」を覚えてしまうと、大きな筋肉で打ちたいと思って練習しても、小さな筋肉がいつの間にか出しゃばって、自分でリリースしてしまうので、ボディターンへの移行が妨げられます。

あるいはもっと悪い場合は、「手でヘッドを返すスウィング」です。これは、いわゆる「手打ち」です。私は、昔、典型的な「手打ち」でした。手打ちでも、けっこう飛距離は出るものです。「手打ち」の場合は、リリース打法よりもさらに悪いです。 クラブがチタン化して、長尺化したため、極端な手打ちの人は減りました。昔はもっとひどい手打ちの人がたくさんいました。手打ちは、クラブが短かったから可能でした。ドライバーが長くなったほんの1~2インチの違いで、リリース打法がふえたのです。

スウィングの悩みはさまざまで、アベレージゴルファーが100人いれば100通りの悩みがあります。しかし、その悩みの多くはひとつの原因によって発生しています。それは「肩が開く」。わずか4文字であらわすことができてしまいます。そして、そこから派生する第二の問題が、「早いタイミング」です。たかだかこれだけの問題なら、パッといますぐ直せても良さそうなものですが、ところが、どういうわけかゴルフをはじめて20年たっても30年たっても直せないのが、ゴルフの面白さであり不思議さです。といっても、面白がっていてもしようがありません。なかなか直せない理由がきっとあるはずです。なんとしてでも、それを探し出そうではありませんか。

その理由とは、この問題が2次的、3次的問題を引き起こすからです。

というわけで、第1の問題点、「肩が開く」のはアベレージゴルファーの誤りの中でもいちばん根本的な「誤りの王様」であるということを理解していただきたいと思います。

整理すると次のようになります。

  • 根本問題① 肩が早く開く
  • 根本問題② 早いタイミング:手でリリースする、手でヘッドを返す

当メソッドが改良に取り組むポイント

  1. 切り返し
  2. 手が右腰からインパクトまでのゾーン
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