プロのアドバイスが、アマに効果がない理由。

アベレージゴルファーに必要なものは、「手を使ったノン・アスレチックスウィング」のレベルから抜け出すためのメソッドです。しかし、そういった明確な目的意識のもとに書かれたレッスン書には、ほとんどお目にかかったことがありません。

タイガー・ウッズがやっている練習を知ったとして、そのとおりに練習したとしても、タイガーになれるわけではないと思います。遼くんの練習でも同じです。

ゴルフ雑誌をみれば、そういう記事であふれています。プロが自分自身の問題として気をつけているチェックポイントを紹介していたりします。企業秘密に近いノウハウを惜しげもなく公開してくれるプロにはあたまが下がります。が、それはアマチュアにもっとも必要なメソッドではありません。その対象となる生徒が研修生とか体育会系ゴルフ部員といった競技志向者など、「アスレチックなスウィング」を習得した人には理解でき、また有益でしょうが、アマには宝のもちぐされです。

つまり、プロのように大きな筋肉を主体にしたスウィングができる人、そういう人が、さらに大きな筋肉の使い方を洗練させ、正確なショットに磨きをかけるためにはそれは役立つでしょう。しかし、そういうレベルにない人は無理です。

このようにアマチュアゴルファーの「眠ったままになっている大きな筋肉を目覚めさせる」ためのメソッドはほとんど存在しません。いいかえると「ノン・アスレチックスウィング」のレベルから抜け出す方法については、残念ながらまるでメソッド化されていません。

いま世間にあるゴルフスウィングのハウツー情報はプロやアスリート・レベルの高度な話か、それとは逆にまったくの初心者向けの話か、両極端に分かれています。で、現実のアマチュアゴルファーといえば、ほとんどが「体を主体にしたアスレチックスウィング」ができないという問題を抱えていると思いますが、そういった真の問題は、存在しないものとみなされています。

そうなっている原因のひとつは、アマ自身にあると思います。アマ自身が、プロのアドバイスをありがたがる傾向があるからです。ですから、タイガーがこうしているとか、石川遼くんがこうやっているとか、さまざまな情報が本や雑誌にあふれています。雑誌の情報はプロの秘密を伝えることに注力しています。 しかし、それはレベルが異なる悩みであり、アマには効果がありません。そうなってしまうのは、雑誌が悪いわけではないと思います。

こうした現象の原因は、プロとアマの重大な違いが認識されていないことにあります。アマは、プロとは違うことをやっています。 まず、「プロとアマは違うのだ」という前提に立って考えなければなりません。 それが、ゴルフというもので、ゴルフのむずかしさです。これが、私たちのもっとも基本になる見方です。ですから、プロのようなスウィングメカニズムで打てるようになる、そのための練習が必要です。世間にある従来のメソッドではその部分が完全に欠落しているので、いくらレッスン書を読みあさって研究しても、あまり成果が上がらないのです。

アマはプロのスウィングがわかりません。同様に、プロのほうでもアマが抱える悩みはわからないものです。プロはほぼすべて「大きな筋肉を使ったスウィング」で打っています。ですから、「小さな筋肉を使ったスウィング」がどういうものなのか、ピンと来ないのです。レッスンプロも同じで、レッスンプロ自身もほぼプロレベルですから、アマの「小さな筋肉を使ったスウィング」がどういうものか、わかりません。さらには「小さな筋肉を使ったスウィング」とは何かという定義もできません。わからないから、解決法も提示されません。

これは、いいかたを換えると、アマのスウィングの問題点が何かという問いが、真剣に研究されたことがないということです。うまい人がレッスン法を開発し、うまい人の悩みに答え、うまい人がよりうまくなる方法が研究されています。

他のスポーツでも同じでしょうが、とくにゴルフはプロとアマのギャップが大きいうえに、そのギャップが放置されていると思います。そのギャップは一般に考えられている以上に深刻です。これは、一般に想像されているよりはるかに困難なテーマです。そういうことを真剣に追求したメソッドはいまだかつてありません。

ですから、まず、アマはプロのようなアスレチックスウィングに移行するための練習をすべきであり、それをやらない限り、真の上達はないというのが、当メソッドの考え方です。 その方法が世の中に存在しないため、当メソッドがそれを追求していこうというわけです。

しかし、アマにとってもっとも重要なことは、プロが大きな筋肉を使って打っているのに対して、アマは小さな筋肉を使っているということです。

したがって、アマチュアゴルファーに必要なものは、「手を使ったノン・アスレチックスウィング」のから脱却し、「体を主体にしたアスレチックスウィング」に全面的に変えるためのメソッドです。

では、プロとアマはどう違うのか。アマは「大きな筋肉を使ったスウィング」ができません。それが最大の違いです。 これは、「体を主体にしたアスレチックスウィング」ができない、といういい方でもいいと思います。

昔と比べて、クラブが長尺化したため、極端な手打ちの人が減り、リリース打法の人がふえています。このリリース打法もまた、「大きな筋肉を使ったスウィング」ができないことを意味します。

アマが「体を主体にしたアスレチックスウィング」をマスターするのは、とてつもなくむずかしいことです。 「体を主体にしたアスレチックスウィング」をめざすアマは、スウィング以前に行わなければならない「重要」なレッスンがあります。それは、大きな筋肉を目覚めさせるレッスンです。

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